犬のお尻が腫れている。犬の会陰ヘルニア③手術編

[2013年11月19日]

今回は「会陰ヘルニア治療編」です。

虎?も「面白くない」と融資をしてくれなかった前回はこちら「お尻が腫れている。犬の会陰ヘルニア②

治療は根治的には外科手術が勧められることが一般的です。

「会陰ヘルニアの手術内容を簡単に説明しますと・・・」

① 出てきてしまった物(腸や膀胱、子宮など)を元の場所に戻す。

② 出てこられないように穴(ヘルニア孔といいます。)を塞ぐ。

③ 再発しないように仕掛けをする。

これだけですとシンプルです。簡単そうですよね。①から③をもう少し詳しく解説しますと。

① 脱出している内容を確認します。ヘルニア嚢(内容物は嚢というふくろに入っています。)を切開して確認。腹腔内に戻します。

② ヘルニア孔を周辺の筋肉を用いて塞ぐ。(外肛門括約筋、尾骨筋、仙結節靱帯、内閉鎖筋) ☆内閉鎖筋は座骨より剥離しておく。

③ 再発防止のために、直腸憩室がある場合や肛門の場所を正しい場所に固定するための結腸固定術(腹壁に結腸を固定します。)や精管固定術(前立腺から出ている精管を腹壁に固定します。)などを行います。また去勢を行っていない場合、同時に去勢手術も行います。

「手術のまとめ」

☆ 今回のケースでは、会陰ヘルニアの状態になってからの時間がかなり経過していたようです。(飼い主様のお話より。)

よって、ヘルニア孔を塞ぐための筋肉が非常に脆弱でした。また直腸憩室も確認されましたので、再発防止のための結腸固定術と精管固定術も行いました。さらに、鼠径ヘルニアも併発していたので整復しておきました。サービスサービス!

☆ 術後の管理も非常に大切です。(術部がお尻なので清潔に保つ事やうんこを固くしない工夫→固いと腹圧が上がり再発します。)

<参考文献>

Hedlund, C. S., Fossum, T. W.: 会陰ヘルニア. In: スモールアニマル・サージェリー(Fossum, T. W. es.), 第3版, 若尾義人,田中茂男,多川政弘 監訳,pp.579-585,  インターズー,東京.(2008)

Christopher, R. B., Rhondda, B. C. (1993): 会陰ヘルニア. In: スラッター小動物の外科手術. 佐々木伸雄, 高橋 貢 監訳, pp.517-528, 文永堂, 東京.

大橋俊文 (2005):  会陰ヘルニア . In: 外科学大系3ヘルニア (山根義久 監修), pp.110-138, インターズー, 東京.

画像は内容物を整復した後のものです。刺激的ですのでクリックは控えた方が良いでしょう。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。

会陰ヘルニアの手術

会陰ヘルニアの手術