愛知県阿久比町でエキノコックス見つかる。エキノコックスまとめ

[2014年04月08日]

愛知県阿久比町で犬のうんこからエキノコックスという寄生虫の卵が検出されたと本日報道がありました。

なぜニュースになるのか?

エキノコックス感染症はが本来であれば北海道でしか確認出来ない病気なのですが、何故か愛知県で確認されたからです。

人への感染は報告されておらず幸いでした。

今回のブログはエキノコックス症について簡単にまとめてみます。

<エキノコックス症とは>

人獣共通寄生虫症の一つです。人も感染する病気です。

北海道で問題となっています。キツネが感染している事は広く知られています。北海道で「キツネに触っては絶対にダメだ!」というのはここから来ています。

エキノコックスは4種類に分かれます。一般的にはその中でもE. multilocularis (多包条虫)を指します。

人及び犬のエキノコックス症は第四類感染症です。診断後直ちに届け出が義務づけられています。

2004年には獣医師に対し、動物由来感染症対策「エキノコックス症:犬の届け出」が施行されました。

<原因>

「Echinococcus エキノコックス」 という寄生虫です。

虫卵は直径30-35μmで顕微鏡じゃないと見えません。似たような虫卵の寄生虫もいますので虫卵を見て確定診断することはできません。

遺伝子検査にて確定します。成虫の場合は5mm弱なので顕微鏡下にて確定できるでしょう。

<感染経路>

虫卵を口から体の中に入れると感染が成立します。

例えば、「感染したウンコが交じった川の水を飲む。」 「感染したうんこに触れた物を知らない間に触れてしまい手を洗わないままお菓子を食べる」等

人から人へは感染しません。キツネや犬などの終宿主動物(寄生虫が有性生殖を行う動物)が排泄したウンコを口から摂取しないと感染しません。

犬やキツネや猫は感染したネズミを食べることにより感染します。ウンコ経由では感染しません。ネズミを食べさせないことが大切です。

<症状>

人が感染した場合、子供で約5年。大人で約10年は無症状。その間に肝臓で増殖していきます。治療しないと90%死亡します。

犬が感染した場合、無症状あるいは下痢・粘液の塊を便と共に排泄します。死に至ることはありません。

<治療>

人の場合は、エキノコックスが寄生している肝臓の一部を摘出します。薬は成長を遅らせる程度の効果。

犬の場合は、良いお薬が幾つかありますが、とくに「プラジカンテル」が安全性も高く著効を示します。

<その他>

北海道では犬の1%、猫の5,5%、が感染しているというデータがあります。(2003)

青函トンネルが開通したことによりキツネが本州に行くとか、北海道産の野菜が虫卵を運ぶ等の根拠のない事が言われていましたが、全く関係ありません。

今問題になっているのは、「旅行等で犬や猫を北海道に連れて行き感染が成立する。」「感染した犬が本州に持ち込まれる」ということです。

(今回の阿久比町の犬も北海道から感染犬が持ち込まれたのではないでしょうか?)

ブラックジャックもエキノコックスに感染してしまい、自分で自分をオペして摘出していましたが若干設定が異なります。

画像はUKのwikipediaより。エキノコックス成虫です。きもいですね。

阿久比町のエキノコックス感染例はこれで終息すれば良いのですが。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。

<参考文献>

神谷正男. “エキノコックス症(犬)”. SA Medicine. インターズー. 2005, No2, Vol7, p.34-40

国立感染研究所HP http://www.nih.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/338-echinococcus-intro.html

エキノコックス(多包条虫)

エキノコックス(多包条虫)