V-BTA検査の勉強会(犬の膀胱移行上皮癌診断の補助検査について)

2014年01月15日

11日に検査会社の方による院内セミナーが行われました。

内容はV-BTA検査 (the Veterinary Bladder Tumor Antigen test)という犬の膀胱の癌に関する検査でした。

どんな検査なのか・・・手短にまとめてみます。

<用途>

犬の膀胱移行上皮癌診断に用いる検査の一つです。

<材料>

尿を用いて検査します。(自然排尿可)

<特徴>

犬膀胱移行上皮癌に特化した検査。

尿中のグリコプロテインを検知する。(グリコプロテインとは、腫瘍細胞が分泌した蛋白分解酵素が基底膜構造を分解した際に出てくる分解産物

尿中の白血球・赤血球の数が8mlの検体の場合400倍で10個以下でないと偽陽性の原因となる。(30個を超えると検体として不適)

この検査の感度は90% 特異性は78%。よって陰性結果の信頼性は高い。

<まとめ>

慢性化した膀胱炎(血尿が出るといった症状はよくありますが、お薬をやめてしばらくすると再発してしまうワンちゃん)は意外と多い印象です。

その様な場合におすすめできる検査だと思います。なぜならば、膀胱に発生した腫瘍の確定診断は「病理組織学的検査」。つまり、摘出した物を調べることでしか確定診断にならないからです。

怪しいけど、手術はちょっと・・・。と言う方はまずは尿で検査してから次を考えれば敷居が低くなりますね。

検査や診断方法の選択肢が増えることは飼い主様にとって大きなメリットだと考えます。

画像はV-BTA検査の講義風景です。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。

V-BTA検査の講義風景です。

V-BTA検査の講義風景です。