天気が変わりやすい季節です。熱中症のメカニズムと対応と治療④

2013年04月09日

前回は熱中症の対応についてのお話でした。

今回は熱中症のメカニズムと治療に関して簡潔にまとめてみたいと思います。

まず、病院に御連絡を頂いた方が良いという記述を何度かしました。

この理由から説明します。

涼しそうですね。

涼しそうですね。

高体温状態が長く続くと、(43℃以上)タンパク質と体の中の酵素が変性してしまいます。

これが体全体で起こるわけですから、えらいこっちゃです。

例えば、脳は脳浮腫をおこして脳細胞が死んでしまいます。高熱による障害は視床下部(体温調節機能がある)を傷害しさらに体温調節が出来なくなります。

また、体の至る所で酸素要求量が増加します。結果、低酸素の状態に陥ります。心臓の筋肉も低酸素になり不整脈やショック状態になります。

腸では血便や下血がはじまります。最も致命的なダメージを受ける臓器は腎臓です。急性腎不全がよく見られます。

最終的には様々な症状からDIC(播種性血管内凝固症候群)という非常に危険な状態に陥ります。

(おおまかな説明です。分かりにくくてすみません)DICに関してはまたブログで。

☆熱中症の致死率は高体温であった時間と重症度に比例します。通常の体温に戻るまでの時間が早ければ早いほど低くなります。

また、回復した動物は体温調節系や腎臓に恒久的な障害を残してしまうことも。

一刻も早く状態を確認し治療に取りかかることの重要性をご理解頂けたことと思います。

すみません。治療までたどり着けませんでした・・・次回こそは。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。