犬・猫がムカデに咬まれたら(刺されたら)毒と症状と治療

[2014年12月01日]

前回のブログの続きです。

今回はトビズムカデと「毒」「症状」「治療」に関して書いていこうと思います。

前回はこちら→「ネコがトビズムカデに咬まれて(刺されて)足が腫れました。」

 

「トビズムカデ」について。

オオムカデ目、オオムカデ科に属するムカデです。

日本産のムカデでは最大級で大きな個体では20cmまで成長します。(前回を読んだ方は画像を参照されていると思いますが大きいはずです。)

頭にある脚(顎肢)の根元には毒を分泌する場所があります。それ以外の足には毒を分泌する機能はありません。

尻尾にある二本の触覚のような曳航肢(えいこうし)というものがあります。

頭とお尻が同じような形をしているので、戦闘の際、相手にどちらが頭かを分からなくする事により戦いを有利に進めることができます。

この曳航肢にも毒を分泌する機能はありません。

「毒について」

毒は脚(顎肢)の先から注入されるのではなく、その根元にある分泌線から分泌されます。

ムカデの顔を裏から見た図

(図の赤いところが毒を分泌する場所です。実際の色は赤くありません。)

よって咬まれた傷から皮膚内に入り込む量はさほど多くなく、むしろ皮膚表面に付着している量の方が多いようです。

「毒の成分」

ヘモリジン、サッカラーゼ、蛋白分解酵素、ヒスタミン、ヒアルロニダーゼ、p-ベンゾキノン誘導体

さまざまな物質の複合的な物です。蛋白質で構成され酸性を示します。

☆セロトニンが含まれているという報告が多数ありますが、トビズムカデの毒には含まれていないようです。

「症状」

局所的な腫、痛み、赤くなる等。

全身症状としては稀ですが、アナフィラキシー(短時間で発生する全身性のアレルギー症状の事)の可能性を考えておくべきでしょう。

「治療」

対症療法が主となります。毒に対する解毒薬は存在しません。

人では「蛋白質を変性させ毒の活性を下げる為に43度以上に患部を暖める」という手法もあるようです。

しかし、相手は動物ですので、こちらの思うようにさせてくれるとは思いません。

できるだけ早く動物病院で治療することをお勧めします。

(40度くらいの温度だと逆に毒が活性化します。また冷却も逆効果です。)

☆やはり、ムカデに接触させないことが大切ですね。もちろん人も咬まれますのでそのときは病院へ。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。


<参考HP・文献>

私設研究所 Neo-Tech-Lab.com 「ムカデに刺されたら43度以上のシャワーで刺咬傷をよく暖めてシャンプー洗浄を!」http://www.neo-tech-lab.co.uk/Interest.htm

夏秋優.”毛虫の有毒毛、およびムカデの毒牙における毒成分の分析”. 衞生動物 57(Supplement), 2006-06-01,p65,