犬のお尻にできもの(肛門周囲腺腫・こうもんしゅういせんしゅ)

2012年01月27日

お尻に丸いできものができてしまったというワンちゃんが来院されました。

腫瘍がある場所が毛に覆われていると、目立たなく見つけにくい場所なので、飼い主様も気づくのに時間がかかってしまったようです。

肛門周囲腺腫摘出前

肛門周囲腺腫摘出前

大きさは5cm弱。痛みがあるようで、時折鳴いているとのこと。

かわいそうで何とかしてあげたいという相談でした。

幸いにも腫瘍は大きくなりすぎることによる自壊や感染を認めなかったため手術はスムースに運びました。

肛門付近の手術は、筋肉の扱いが難しい場所なのですが、きっちりフォローして摘出しました。

摘出の結果は「肛門周囲腺腫」という良性の腫瘍でした。

肛門周囲腺腫とは・・・

肛門周囲腺腫摘出後

肛門周囲腺腫摘出後

ある程度の年齢で、去勢を行っていない雄に多い良性の腫瘍なのですが、今回のワンちゃんは雌でした。

名前には「肛門」と付いていますが、お腹や太ももにも発生する場合もあります。

大きくなりすぎると表面の皮膚が割れてしまい、出血やそこからの感染で異臭が発生したりします。

そうなると良性腫瘍ですが割れたところから感染を受けたり、出血をしたり、臭いが発生するなど生活の質が著しく落ちてしまいます。

治療は去勢(していなければ)と外科的なアプローチになります。

同じような名前ですが「肛門周囲腺癌」と言う物があります。これは悪性ですので注意です。

たまにはお尻も覗いてみましょう。早期発見、早期治療が原則ですよ。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。