犬がすき焼きのネギを食べ大量の血を吐いた。(犬のネギ中毒)

2014年02月22日

まだまだ寒い日が続いています。

今日のような日はこたつで鍋を囲みたくなりますね。

鍋物に必ずと言っていいほど入っている野菜と言えば・・・

「ワンちゃんネコちゃんが食べてはいけない野菜として有名なネギです。」何故ならネギ中毒を引き起こすからです。

与えてはいけないことはもちろん知っていたのですが、家族が寝ている間にネギを食べてしまったワンちゃんのお話です。

電話にて「大量に赤い血を吐いている」との事で往診を希望されました。

大量の血を吐いている!!!と言うことで即駆け付けました。

ワンちゃん自体は意外にも平気そうな感じで、良い意味で少し拍子抜けしてしまいました。

「嘔吐したと思われる血液」は実は嘔吐ではなく、オシッコのようです。

診察時に詳しくお話を聞いていると、残っていたすき焼きの白ネギを三本分くらい夜中に食べてしまっているようです。

全てがクリアになりました。

① ネギを大量に食べる。

② ネギ中毒による影響で血液中の赤血球の膜が破壊される。

③ 赤血球の中に含まれているヘモグロビン(赤い血色素)が血液中に。

④ 尿とヘモグロビンが混ざり赤いヘモグロビン尿として出てくる。

ヘモグロビン尿が見られる時点でかなりの赤血球が破壊されていることが予想されます。

血液を採取後病院へ戻り、各種血液検査を行いました。結果は赤血球の数、血液中における赤血球の割合共に正常値ぎりぎりでした。

血液塗末では明らかに「ハインツ小体」が多数観察出来ました。

ハインツ小体とは赤血球中のヘモグロビンが酸化することにより形成される小さな点の様な物です。

ネギ(タマネギ含む)の治療は対症療法しかありません。

食べた直後であれば吐かせたり、胃洗浄することも出来ますが、半日以上時間が経過しているため有効策ではありません。

対症療法にて経過観察としました。

次回に続く。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。

イメージです。実際はもっとたくさんのネギが入っていたようです。

イメージです。実際はもっとたくさんのネギが入っていたようです。