奇跡が起きるならば。(熱中症とDIC)③

[2013年08月08日]

前々回の続きです。前々回はこちら

最期を家族と過ごすためにワンちゃんが退院してから数日が経ちました。

事あるごとに、あのワンちゃんがどうなったのか?

何度も考えましたが、考えないようにもしました。

お支払いにご来院された時も、血液が混ざった下痢がたくさん出てしまったこと、呼びかけにもあまり答えることなく、つらそうにしている様子を伺いました。

僕は「状況としては厳しいです。」と言うしかありませんでした。

そしてまた数日が経ちました。季節外れの猛暑が和らいだころです。

あのワンちゃんの飼い主様がご来院されました。ワンちゃんと共に!

「つらそうな状況は変わりないのだが、幾分良くなっている気がする。がんばっているので少ない可能性に賭けてみたい。」と飼い主様はお話しされました。

僕は心の中で奇跡だと思いました。何故なら、あの状態で一週間余り生きていられることを、これっぽちも予想していなかったからです。

状況を確認するため血液検査をしました。「きっと退院する前より良くなっているだろう。飼い主様にも喜んでもらえたら・・・。」

治療を施している間にも数値が良くなっているだろう事を示唆しながらお話をさせてもらいました。

結果は・・・良くなった数値もありましたが、全体としては厳しいものでした。

特に腎臓の数値はさらに悪化していました。すでに末期的と言える数値です。

「この状況は、入院していた時よりも家の方がストレスがかからず、状態が安定しているように見えるのではないか?後数日もてば・・・。」

そんな苦し紛れのお話しで場を濁すことしかできませんでした。

自分が高揚してしまい状況の好転が期待できるような事を口走ってしまった事で逆に飼い主様に辛い思いをさせたのではないかと、悔やみました。

本当の奇跡は起きませんでした。

次回に続く。

夜間緊急、日曜祝日も診察対応。日進市の動物病院。アニウェル犬と猫の病院の渡邉でした。

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