異物誤食まとめ③(犬編PART2)

2012年12月22日

前回の続きです。そこまで頻度は高くないけれど、誤食しやすいタイプの物です。

「人間の薬 (風邪薬や痛み止めなど。)」

風邪薬や痛み止めの成分であるアセトアミノフェン、イブプロフェンなどは犬、猫に溶血性貧血や急性腎不全、胃腸障害が起きます。犬や猫は人間と違い肝臓でのこれらの薬の代謝(グルクロンサン抱合といいます。)が得意じゃないので高濃度で長時間体の中に薬が残ることになります。バ○ァリンの半分は優しさなんて言うけれど、犬と猫にとっては全部毒です! 風邪っぽいから・・・ってのは絶対にダメです。その他の薬に関しても間違って食べてしまった場合は御連絡頂いた方が良いでしょう。

「ホウ酸団子(人間も食べないけど)」

ホウ酸はかつて食べ物に添加物として加えられていましたが、中毒や事故がおこったので今は添加されていません。ホウ酸塩で換算すると動物1キログラム当たり3gで致死量となります。ゴキブリのための団子です。動物はだめですよ。

「卵白 (生食の場合)」

卵白に含まれるアビジンという成分が腸内でビタミンB7と結合し、腸からのビタミンB7の吸収を阻害します。結果ビタミンB7欠乏症になり、消化器症状、皮膚疾患を引き起こします。

「魚貝・甲殻類」

魚貝類や甲殻類を生でたくさん食べると、チアミナーゼという成分によりビタミンB1が分解されてしまいビタミンB1欠乏症を発症する可能性があります。ビタミンB1は脳での糖代謝に大きく関わっていますので、ビタミンB1欠乏症ではふらふらしたり(運動失調)、元気がなくなったり(抑鬱)といったの神経症状を引き起こします。

「アボカド」

果実、葉、種子 樹皮に含まれるペルジンが原因。消化器症状を引き起こします。海外では心筋に悪影響が出たという報告もあります。

「観葉植物」

中毒を起こす植物が多い(大体ダメだと考えても良い)ので注意して下さい。穴を掘っていると思ったらガーデニングの際に植えた苗や球根を食べてしまったなんて事もあるので注意です。

「子供用の粘土(小麦粉粘土)」

最近の粘土は小麦粉で作られた粘土が多いようです。その際に衛生面から食塩が添加されています。その粘土を食べることにより食塩中毒になってしまいます。お子様がみえるご家庭では注意が必要ようでしょう。食塩中毒に関してはまた詳しくブログ内で説明致します。

夜間緊急対応 日曜祝日診察 日進市 アニウェル犬と猫の病院 渡邉でした。