犬の床ずれ(褥瘡・創傷)治療 ①

2012年04月09日

床ずれからの出血が止まらないという主訴でワンチャンが来院されました。

来院時は出血で足が真っ赤っかでした・・・(汗

お電話では治療中の床ずれから出血して止まらないという説明でしたが「???」と思いました。

床ずれとは主に皮膚が長時間の圧迫を受けて虚血状態になり皮膚や皮膚の下の組織が壊死してしまう現象です。

よって皮膚の血管は圧迫されているはずですので、大量の出血は考えにくいと思っていたのですが今回のケースは予想と反しました。確かに床ずれではあるのですが、寝たきりで発生した物ではなく原因が異なるようです。

今回のケースはリウマチ(血液検査等を行ったわけではないので確定ではありませんが、症状の特徴からまず間違いないでしょう)を患い本来着地しない場所を用いて歩行していた事が原因のようです。着地していた部分の皮膚が肥厚していました。そしてさらに圧迫が加わり肥厚している場所を貫通し付近の血管が損傷して大量に出血したようです。床ずれと言えば床ずれですが創傷治療といえば創傷治療です。

まず止血する作業を始めようと思ったのですが、出血箇所が深くおいそれと止血できるものではありませんでした。

飼い主様には全身状態を確認し麻酔下で処置を行うことを提案しました。

画像は止血した状態での傷です。傷が表面的では無く深部にまで達しています。血まみれになった毛はカットしてあります。

次回に続く。

夜間緊急対応 日曜祝日診察 日進市 アニウェル犬と猫の病院 渡邉でした。

傷の正面角度を変えた写真です。