犬の外耳炎とは?

外耳炎(がいじえん)は犬が最もかかりやすい病気の1つです。
耳たぶや耳の穴でも外側に炎症が起きた状態を言います。

アイペット損害保険株式会社によると、ペットの保険金請求が多い傷病のランキング2020年度版では犬の外耳炎は2位になっています。

犬においては、保険請求額1位 皮膚炎、2位 外耳炎というのは3年連続になるそうです。
特に垂れ耳の犬種や、フレンチブルドックなどの皮膚が弱い犬種はかかりやすい傾向にあります。

保険金請求が多い傷病ランキング

犬の病症ランキング
順位 傷病名
1 皮膚炎
2 外耳炎
3 胃腸炎
4 下痢
5 腫瘍
6 異物誤飲
7 心臓病
8 歯周病
9 骨折
10 嘔吐
猫の病症ランキング
順位 傷病名
1 下痢
2 皮膚炎
3 腎臓病
4 膀胱炎
5 異物誤飲
6 胃腸炎
7 心臓病
8 結膜炎
9 嘔吐
10 尿石症

外耳炎の原因

外耳炎の原因は多岐に渡ります。

皮膚病やアトピー性皮膚炎などによる影響、内分泌異常(ホルモン疾患)、耳の脂漏症、分泌腺異常、ミミダニや異物によるものなど様々です。

場合によっては複数の原因が関係している場合もあります。よって原因によって治療法は変わります。

それに加えて、犬種、耳の形、耳垢の量や質、飼育環境などが症状を悪化させてしまう一因としてあげられます。

悪化していくと炎症の範囲は耳の入り口から耳道を通じ鼓膜にまで及ぶことがあります。
さらに放っておくと鼓膜からさらに奥にある中耳、内耳にまで広がってしまいます。

外耳炎は単に耳の炎症ではなく、じつは非常に複雑な病態であるというのが最近の知見です。

外耳炎にかかると様々な症状が診られます
  • 耳の中が赤くなる
  • 耳垢が多く出る
  • 耳から嫌なニオイがする
  • 耳を頻繁にかく
  • 攻撃的になる
  • 頭をよく振る
  • 耳を触られるのを嫌がる(痛がる)

犬の場合、耳の中がかゆかったとしても、ピンポイントでうまく掻くことが出来ません。
耳の後側や首元を掻いている場合、実は耳の痒みが原因だったと言うことも珍しくありません。
外耳炎の炎症や痒み、違和感は犬にとって大きなストレスになります。
上記のような症状がみられたら外耳炎の可能性がありますので動物病院で診察をしてもらってください。
ちょっとした異常でも放置してしまうと、炎症が鼓膜の内側にも広がり痒みだけでなく外耳炎の炎症による痛みも発生してしまいます。

外耳炎は再発しやすい病気です
一度治っても、しばらくして症状が見られる時は、すぐにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

犬の外耳炎の治療法は?

犬の外耳炎の治療方法は、主に耳にお薬を注入する点耳薬での治療と内服薬の投与があり、症状や原因に応じて選択されます。

点耳薬の場合、薬を耳に入れられるのを嫌がるわんちゃんが多いため、あらかじめ院内で飼い主様に点耳薬の使い方を指導してから自宅にて実践してもらいます。

点耳のコツを動画にまとめましたのでご覧ください。

治療期間は2-3週間程度で治るケースと、慢性化してしまい治療が長期化するケースがあります。

犬の外耳炎の費用について

2016年1月〜2017年12月末までの期間で、犬と猫のペット保険FPCへ実際にあった請求事例によると、以下のような治療例が掲載されております。

<治療費例>
治療期間:5週間  通院回数:4回
合計治療費用 13,370円
<一通院あたりの治療費例>
3,000〜6,000円
(診察料、耳垢検査、耳洗浄(点耳処置含む)、外用薬、点耳薬)

犬の外耳炎は、早期に治療を開始できれば治療期間も短くなるため費用も少なく済むでしょう。

基本的には数週間で治癒することが多いですが、放っておくと治療期間が長引くだけでなく、特殊な検査や処置等の費用が加わり治療費全体として増加する傾向にあります。

犬種や耳の状態、基礎疾患の有無により検査方法や治療内容が大きく変わることで費用も大きく変わります。

日ごろからワンちゃんの状態をチェックして小さな異常を見逃さない事が病気の早期発見早期治療につながるでしょう。

当院での犬の外耳炎の治療実績

case.1

治療前

耳全体に赤みが強く、汚れと臭いがひどい状態でした。
耳の奥から生えている毛に汚れが付着していたため、前処置として毛を除去。その後耳道内の汚れを洗浄しました。
耳介(耳たぶ)の腫れと赤みがひどいため、抗生剤の内服と長期効果型の点耳薬を用いて治療しています。
一週間後に来院してもらい耳の状態を確認。回復傾向が見られました。
洗浄と投薬は継続しました。

治療後

耳介の腫れと赤みが治り、耳を痒がったり振る事も見られなくなりました。
垂直耳道と水平耳道を耳鏡でチェックしてきれいになったことを確認。
治療終了です。

case.2

治療前

耳の状態が良くない期間が長くご相談を受けました。
耳介が腫れてしまい耳道の入り口が殆ど見えないくらい狭まっています。耳を触ろうとすると非常に嫌がり咬んできます。
数年前からアトピー性皮膚炎を患っていて、皮膚の状態も不安定な状況とのこと。
アトピーに対する内服薬と点耳薬を提案し治療を開始しました。

治療後

お薬の作用で耳介の腫れが引きましたが、以前の状態に戻すことまでは難しいようです。
耳道へのアプローチが可能となりましたので耳道の洗浄を行いました。
今後はこれ以上悪化しないように定期的なお手入れを指示。
同時にアトピー性皮膚炎の治療も平行し耳の環境を保てるように指導しました。

  • ☆外耳炎を繰り返す場合、なかなか治らない場合は「アトピー性皮膚炎」や「その他の疾患」 が関与し悪化ているケースが珍しくありません。
  • ☆実は意外とやっかいなのが耳の疾患の特徴でもあります。
どんな病気にも言えるのですが「多角的な視点」で治療する事がとても大切だと考え治療に向き合っています。

外耳炎など耳の症状でお困りなら

外耳炎をはじめ、皮膚病などでお困りなら、豊富な実績と丁寧な説明の当院にご相談ください。
かかりつけの病院がある場合でも、セカンドオピニオンとして治療法や選択肢などもご相談いただけます。